GCPのGCE スナップショット、カスタムイメージ、マシンイメージの違い

Backup

GCPのIaaSであるGCEのバックアップを取得したい場合、GCPにはバックアップ用途で利用出来る機能が複数あり、スナップショット、カスタムイメージ、マシンイメージといったものが利用可能である。
そこで、本ナレッジではそれらの違いと特徴、適切な利用シーンについて示す。

また、もしGCE自体の作り方が不明の場合は以下ナレッジ参照。

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GCE スナップショット、カスタムイメージ、マシンイメージの比較

機能比較

GCEのバックアップを取得することが可能な機能である、スナップショット、カスタムイメージ、マシンイメージの機能比較表は以下の通りとなる。

GCE Backup

出典 : Machine images | Compute Engine Documentation | Google Cloud

 

コスト比較

GCE スナップショット、カスタムイメージ、マシンイメージの価格は、リージョンによっても異なる上、NW関連コストが発生するものもあり正確に比較することは難しいが、基本的なコスト感の差異は以下のようになっている。

※以下の価格は無料枠対象リソースが多い米国リージョンの “オレゴン: us-west1” の価格である。

  • スナップショット ストレージ : $0.026 (GB 単位/月)
  • カスタムイメージ ストレージ: $0.050(GB 単位/月)
  • マシンイメージ: $0.050(GB 単位/月)

さらに、スナップショットについては以下のリージョンであれば、月5GBまで無料で利用出来る無料枠が存在する。

  • オレゴン: us-west1
  • アイオワ: us-central1
  • サウスカロライナ: us-east1
  • 台湾: asia-east1
  • ベルギー: europe-west1

詳細な各リージョンの価格については以下参照。

詳細な無料枠の条件については以下参照。

 

GCE スナップショット、カスタムイメージ、マシンイメージ、各々の特徴と利用シーン

スナップショット、カスタムイメージ、マシンイメージ、どの機能を利用してもバックアップは取得可能だが、各機能の特徴や最適な利用シーンは異なるため、それぞれについて説明する。

また、どの機能でもプロジェクト間共有およびリージョン間共有は可能となっている。

 

GCE スナップショットの特徴と利用シーン

スナップショットの一番の特徴は他の機能と比べてコストが低く、無料枠も存在するため費用を抑えてバックアップを取得したい場合に適している。そのため、後述するカスタムイメージおよびマシンイメージ含め、どの手法でも問題ない利用シーンの場合はスナップショットの利用が適している。

また、スナップショットはは全てのデータをバックアップするフルバックアップの他、そのフルバックアップからの変更点のみをバックアップする差分バックアップも可能である。そのため、バックアップで必要な容量を抑えてより効率的に複数のバックアップを取得することが出来、その点でもコストメリットがある。

ただし、複数ディスクのバックアップは不可のため、複数ディスクのVMをバックアップしたい場合はディスク毎にそれぞれバックアップする必要がある。

スナップショットの作成手順およびスナップショットからのVMインスタンス作成手順は以下ナレッジにて説明する。

 

GCE カスタムイメージの特徴と利用シーン

カスタムイメージの特徴として、インスタンステンプレートのイメージで利用可能な点があげられる。インスタンステンプレートとはGCEのインスタンスを作成する際のテンプレートとして利用出来るリソースである。これとGCPのロードバランサ (Cloud Load Balancing) を組み合わせて利用することにより、オートスケール構成が可能となる。オートスケール構成とは負荷が高い時にインスタンス数を自動で増やし、負荷が低くなったらインスタンス数を自動で減らす構成であり、クラウドの利用料金を抑えることが可能なクラウドネイティブなアーキテクチャである。

ただし、複数ディスクのバックアップはスナップショット同様不可のため、複数ディスクのVMをバックアップしたい場合はディスク毎にそれぞれバックアップする必要がある。また、差分バックアップも利用出来ない。

カスタムイメージの作成手順は以下を参照。

カスタムイメージからVMインスタンスの作成手順は以下を参照。

 

GCE マシンイメージの特徴と利用シーン

マシンイメージは他の機能と比べて比較的新しい機能である。
機能比較表に記載の通り、スナップショットやカスタムイメージでは出来ない、複数ディスクのバックアップが可能であるため、複数のディスクを持たせたVMのバックアップを取得したい場合に適している。

また、差分バックアップの取得も可能である。

さらに、スナップショットやカスタムイメージは基本的にディスクのバックアップとなり、VMインスタンスの構成情報などは保存されないが、マシンイメージでは以下の情報なども保存され、ソースインスタンスのVM構成の大部分を含むインスタンスのバックアップが作成される。そのため、全く同じ構成のVMインスタンスを作成・復元する際に、より一層容易になる。

  • VM インスタンス構成。各VM構成には次のプロパティが含まれる。
    • 説明
    • マシンタイプ
    • インスタンス メタデータ
    • ラベル
    • ネットワーク タグ
    • メンテナンス ポリシー
    • Unified Extensible Firmware Interface(UEFI)の変数(該当する場合)
  • ソースインスタンスの永続ディスクとローカル SSDを作成するために使用されたボリュームマッピング。
  • すべての永続ディスクに保存されている同じ時点でのデータ。

ただし、マシンイメージはカスタムイメージのようにインスタンステンプレートのイメージには利用出来ない。

マシンイメージの作成手順は以下を参照。

マシンイメージからVMインスタンスの作成手順は以下を参照。

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