Webサイトを構築する際、他のサイト等に掲載されている画像やドキュメントを掲載したい場合が多々あると考えられる。
ただし、無断で掲載すると著作権侵害で違法となる。そのための一つの手段として引用がある。
引用を説明する前に、まずはその前提となる著作権、著作物について説明する。
「著作物」とは人が自身で生み出した文章や画像などの表現物のこと。そして、著作物を他人に無断で利用されず独占的・排他的に利用する権利を「著作権」という。
そのため、無断でこの著作物を利用すると著作権侵害となる。
その前提のもの、他人の著作物を利用しても違法にならない手段の一つが引用となる。
改めて、「引用」とは他人の文章や画像などを自分の表現物に取り入れ、公開することを指す。
引用の要件
引用は日本の法律では、著作権法32条1項に定められている。
それを踏まえ、著作権侵害をせずに「引用」するには以下の要件を満たす必要がある。
- 引用する物が公表された著作物であること。
- 引用する側が主、される側の従であること。つまり量質両面で引用する側が主のコンテンツで一部参考資料といった形で利用することが必要。
- 自身の著作物と引用部分が明確に分かれていること。
- 引用する必然性があること。
- 引用の目的上、不要な部分まで引用しておらず正当な範囲内であること。
- 出所を明示すること。
- 改変しないこと。
引用の仕方
文章の引用
文章を引用する際は、HTMLタグのblockquote処理をしたり、””引用符で囲み、自身のコンテンツと引用元コンテンツとを明確区別する。
その後、引用元のサイト名およびページ名をテキストリンクとして記載する。
例を以下に示す。
人工知能とは、人間の知能をコンピュータで実現する技術であり、研究されている分野である。
AIとは「Artificial Intelligence (人工知能) 」の略である。
AIには様々な解釈があるがAIが目指すべきところは、「人間と同じように自ら学習し、推測・判断する」ことである。
※注意点としては、基本的に引用する対象はオリジナルの著作物を引用する。引用されたものをさらに引用することは望ましくない。
画像・写真の引用
画像や写真を引用する際は、HTMLタグのblockquote処理をしたり、””引用符で囲み、自身のコンテンツと引用元コンテンツとを明確区別する。
その後、引用元のサイト名およびページ名をテキストリンクとして記載する。
例を以下に示す。
※注意点としては、画像については雰囲気としてのイメージの利用や、鑑賞対象となる場合は認められない。
引用以外で著作物を利用する方法
引用以外にも著作物を利用する方法は存在する。それを以下に示す。
- 著作物ではない
- 著作者の許可を得ている
- 転載
- 著作権法32条2項 39条 40条
- 引用レベル以上に、他人の著作物の大部分をコピーして利用する行為
- 著作者からの許可がある場合のみ可能
- ただし下記については著作者の許可なく可能
- 行政機関が公表した広報資料等
- 新聞や雑誌に掲載された、時事問題に関する論説
- 政治上の演説、裁判上の陳述
関連する参考ナレッジとしては、スクリーンショットの利用や、フリー素材について、以下ナレッジにまとめてある。