AWS SummitはAmazon Web Servicesのカンファレンスである。2020年はオンラインにて実施された。
本調査ではそのAWS Summit Online Japanの基調講演に参加してレポートを記載する。
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本レポートの概要
AWS Summitは昨今毎年実施されている、Amazon Web Servicesのカンファレンスである。2020年はオンラインにて実施された。
AWS Summit Online Japanはライブ配信およびオンデマンド配信が実施されている。
基調講演は初日に2セッション、2日目に1セッションの計3セッションが実施された。本セッションに参加したため、レポートを記載する。
AWS Summit Online Japan基調講演の概要
AWS Summit Online Japan 基調講演は合計3セッション実施されている。
それぞれのセッションのスピーカーは以下の通りである。
- KEY-02
- 長崎 忠雄, アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 代表取締役社長
- KEY-01
- Werner Vogels, Amazon CTO
- KEY-03
- Andy Jassy, Amazon Web Services CEO
- Matt Garman, Amaozn Web Services セールスおよびマーケティング担当バイスプレジデント
AWS Summit Online Japan 基調講演の詳細および所見
基調講演 KEY-02
本セッションの内容を一部我々の所見を加えながら、まとめる。
- AWS Summitのコンセプト
- テクノロジーの力でイノベーションを起こすための学びの場
- AWS インフラの近況
- リージョン
- 南アフリカのケープタウンにアフリカ初のリージョンを開設
- イタリアのミラノにリージョンを開設
- スペイン、インドネシアで開設予定
- 大坂リージョンをフルリージョン化予定
- [所見]
EU圏内に2リージョン追加。これは、EUからイギリスが離脱し、EU加盟国の繋がりが薄れつつある状況に合わせて各国毎個別のリージョンの必要性が増したと推察する。
また、アフリカ初のリージョンが開設され、いよいよクラウドは全世界での活用が本格化。クラウドサービスはまだまだ世界市場の拡大が見込めると考える。
日本の大阪リージョンは、日本独特のこれまでの文化を受け、DRは必須だが国外等にデータや機能を置くのは不安。既存システム同等の環境がクラウドでも必須。といった要求を受けて需要が見込めると判断されたのではと考える。
- リージョン
- 今の時代、スピードと変化への対応力の重要性が増加
- イノベーションこそが価値提供の鍵
- クラウドの真価
- 顧客が価値提供に集中できること
- クラウドの力で変化を続ける世界に対応
- 場所を問わず、高い生産性を実現
- 事例: 塩野義製薬にてテレワーク増加に対応
- 3日で3,000名のVPN環境を構築
- Amazon Client VPN活用
- 事例: プラス株式会社
- クラウドベースのコンタクトセンター
- Amazon Connect活用
- 事例: 塩野義製薬にてテレワーク増加に対応
- イノベーションの創出とビジネスプロセスの変革
- 事例: ソニー株式会社
- 電気自動車 VISION-Sのデータ分析、同期、車両管理の基盤としてAWS活用
- 事例: トヨタ自動車
- モビリティサービスのプラットフォームのビックデータ蓄積、利用基盤強化のためAWSと提供強化
- 事例: ソニー株式会社
- 場所を問わず、高い生産性を実現
基調講演 KEY-01
本セッションの内容を一部我々の所見を加えながら、まとめる。
- テクノロジーソリューションは建物の建築と同様、強固な基盤が必要
- ソリューションを迅速に構築し、周囲の変化に対応して行く必要がある現在の状況下では、より一層重要
- 安定的で安全かつ効率的なシステムを構築するには基本概念を重視し、正しいアーキテクチャを設計することが必要
- The Amazon Builders’ Library
- AWS Well-Architected Framework
- AWS Well-Architected Framework リンク
- このフレームワークを利用することで、実証済みアプローチを使用して独自のサービスを構築可能となる。
- [所見]
これまで、システムアーキテクチャはアーキテクトの経験とセンスにかかっていると考えていた。しかし、アーキテクチャのナレッジをここまで蓄積され、利活用のためにここまで整備が進むと、本ナレッジを学習データとしてDeepLearning等によるモデルが作成可能な未来も近いのではと思う。そうなると、どんなことをどんなレベルで実現したいのかといった提供したい価値さえ定義出来たら、アーキテクチャすら自動で設計可能となる。既にアプリやインフラの自動作成は実現可能な状況のため、システム自体の自動作成も不可能ではないと考える。
- 様々な組織でのシステム、サービス構築例を紹介
- サーバレスアーキテクチャ等によりauto scaleに対応し、最初からクラウドネイティブなアーキテクチャにてシステム構築することにより、ユーザが大きく増加してもアーキテクチャ自体変える必要がない。
- [所見]
これまで、AWS Summitでは新規サービス紹介も少なくなかった。しかし、本AWS Summitでは基礎のアーキテクチャを正しく設計し、適切なシステム・サービスの開発を促しているように思える。コロナ禍でクラウドはかつてないほど需要が高まっている。この現状を受け、改めてクラウドのリーディングカンパニーとして派手な新規サービス等ではなく、これまで長年に渡って提供してきた各種サービスを適切に組み合わせて利用し、真に必要なシステムの開発を訴えているよう思える。
基調講演 KEY-03
本セッションの内容を一部我々の所見を加えながら、まとめる。
- コロナ禍の危機に対する取り組み
- 人々が長い間家で過ごさざるえない状況化で、本状況に対応するため様々なセグメントの顧客を支援
- 小売りのAmazonは多くの人の必要な物の調達を支援
- この危機的状況下で多く利用される下記のサービスやシステムはAWS上で動作しているためその提供を支援
- NetflixやHuleなどの動画配信サービス
- FortniteやPlayStationなどのゲーム
- ZoomなどのTV会議システム
- e-Learningシステム
- 従業員の安全の確保
- 150以上のポリシーを変更
- 施設や設備の運営も大きく見直し
- 個人や地域社会を支援
- 各種寄付の実施
- 17万5千人以上の雇用創出
- 人々が長い間家で過ごさざるえない状況化で、本状況に対応するため様々なセグメントの顧客を支援
- 今後よりクラウドの利用や移行が増加、その障害を考察
- 現在、大量データの時代
- 顧客は大量のデータに対応する機能やデザインパターンを受け入れて適応
- AWSのサービス例
- Amazon Redshift RA3
- コンピューティングとストレージが別々にスケーリング可能
- AQUA
- コンピューティング環境をストレージに置くことで、データの移動を不要とし、分析の速度を向上
- 多様なDBサービス
- ユーザは適切なものを選択
- Amazon Redshift RA3
- 機械学習について3層に分けられる
- 下位層
- フレームワークを提供。それを利用し、機械学習の専門家がモデル自体を構築。
- 中間層
- Amazon SageMakerによって、トレーニング、チューニング、デプロイを行いもモデル構築が可能。
- 上位層
- 開発者向けにモデルおよびAPIを提供。
- [所見]
GoogleのGCPと比較すると、下位層はフレームワークTesnsorflow自体を開発しているGoogleのGCPの方が優れている印象。上位層についても検索エンジンを持ち大量データを保持し、AI分野の研究に力を入れているGoogleのGCPのほうが優れている印象。一方で、中間層はAmazon SageMakerは機械学習への知見が浅くても使いやすいインタフェースでサービスが提供され、ある程度のモデルも構築可能となっており、AWSに良い印象がある。
- 下位層
- Amazon Connect、AWS IoT、AWS IoT GreenGrassなどの活用例を紹介
- 組織は素早く動くことが重要
- 組織で決断を下す時、やり直しのきかない決断もあるが大半はやり直しのきく決断となる。
- やり直しのきく決断はゆっくり決断するのではなく、素早く決断し、もし間違った場合は失敗から学び、やり直せば良い。
- 素早く動く文化を作っていく必要がある。
- コロナ禍で変化したこと
- 今まで会議は会議室が中心でTV会議はサブであったが、現在は皆がTV会議であり、平等で会議のあり方が変わった。
- チームで協力して仕事をすることをコミットしていれば、仕事をする場所はどこでも問題ない。
- 顧客とは離れていてもこれまでは直接に会いにいっていた。現在はTV会議にてこれまで以上に多くの会話をし、世界中のパートナーとより親密なコミュケーションが可能となった
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